一晩寝かせた、あの旨さ!
このキャッチフレーズを作った人は天才。
「家で作ったカレーも一晩寝かせて美味しくさせよう!」
しかし、「あの旨さ!」はあくまでメーカーの努力によるもの。
なんとカレーで起きた食中毒は9件もあるんです。
実際に料理に慣れていない人は
カレーが腐っているかどうかの判断が難しいと思います。
ざっくりとした確認ポイントです
・異臭がしないか?
・納豆のような酸っぱい味はしないか?
・作った後、2時間以上室温で放置していないか?
この記事では、
カレーを作り続けて5年以上の筆者が
カレーが腐った時に使える3つの見分け方を
詳しく説明していきますよ。
腐ったカレーは目で分かる:白い斑点や水っぽくサラサラしてるか確認
私も学生時代に腐ったカレーを食べた経験があるので、
過去の自分に向けて、この記事を書いています。
まず目を使います。
自分の五感を研ぎ澄ましましょう。
Don’t Think, Feel ! (考えるな、感じろ)
カレーに糸が引いていたら、この時点でアウトです。
カレーをよく観察して、白い斑点がないか、確認しましょう。
これらはカビなので、取り除いて、再加熱したら食べれる!
と思うかもしれませんが、
100℃で煮込んでも死なないウェルシュ菌が存在している可能性があります。
やめておきましょう。
またカレーが少し水っぽくないかも確認してください。
なんかサラサラしているなと思ったら、次のステップに進みましょう。
他にも見た目でアウト!な特徴は以下の通り
・白や緑色の斑点が見られる
・表面に白や緑の膜が張っている
・具材が変色している
・糸を引いている
・水っぽくなっている
・とろみが強くなっている
腐ったカレーは鼻で分かる:傷んで異臭がしないか確認
カレーにはスパイスが入っているので、
匂い自体が強く、分かりにくいかもしれません。
だからこそ、カレーによる食中毒の事件が絶えないのでしょう。
実際に自分の鼻を使って、
その中にツンとするような酸味のある臭いを感じた場合、
腐敗が進んでいます。
風邪や体調が悪く鼻が機能しない場合を考えて、
最後のステップに進みます。
他にも臭いでアウトな特徴は以下の通り
・生臭い
・カビ臭い
・納豆のような臭いがする
・チーズのような臭いがする
・アルコールのような臭いがする
腐ったカレーは舌で分かる:酸っぱい(納豆っぽい)か確認
最後の方法です。
腐ったカレーは酸っぱい味がします。
もともとカレーは辛い風味を感じる料理です。
よく分からないという人のために
「酸っぱい」という味を文章で説明するなら、
納豆のような風味がします(経験談)
隠し味に大量にレモンをかけすぎていない限り、
カレーが酸っぱい=腐っている のは明らかなので、
食べるのをやめてください。
他にも以下のような特徴ならアウト!
・チーズのような味がする
・生臭い味がする
・肉が腐った様な味がする
・アルコールのような味を感じる
・舌がピリピリと痺れる
一晩寝かせたカレーに潜むウェルシュ菌。下痢や腹痛になるかも
「腐ったカレーは目で分かる」の章でも紹介しましたが、
100度で熱しても死なない「ウェルシュ菌」に注意しましょう。
この菌が食中毒を引き起こします。
実際の症状は下痢や腹痛です。
具体的な事例はこちら。
1998年12月7日、横浜市内の小学校の校庭で開催された地域のソフトボール大会に出場した小学生と付き添いの父母が下痢等の食中毒様症状を呈している旨、所轄保健所に連絡が入った。
調査を行った結果、このソフトボール大会は6日に開催され、そこで昼食にカレーライスを摂食した359名のうち173名が当日夜半より下痢、腹痛を主症状とする比較的軽い食中毒症状を呈していることが判明した。
このカレーは、5日14時~21時にかけて大会役員宅の庭で8名の父母が大釜2つを用いて800食分のカレーを調理し、翌日の6日まで室温放置され、11時頃から1時間ほど再加熱して提供されたことが判明した。
残念なことに
ウェルシュ菌と加熱調理料理であるカレーの相性は抜群に良いです。
ウェルシュ菌食中毒の原因食品は表1に示すごとく、カレ-, シチュ-や鶏肉、牛肉、鶏肉、魚介類などの調理食品(ロ-ストビ-フ,若鶏のトマト煮込み、ロ-ルキャベツ,肉じゃがなど)豆腐料理(麻婆簿豆腐など)、野菜料理(カボチャの煮付け、白菜のクリ-ム煮など)などいずれも食肉、魚肉、野菜などが含まれた加熱調理料理です。
すなわち、これらの食材にはウェルシュ菌汚染が高いこと、加熱でも芽胞は死滅しないこと、加熱により酸素が放出されるし、肉類に含まれる還元物質により嫌気状態が保たれ、ウェルシュ菌が増殖します。
これらの原因食品は前日に加熱調理され、一晩室温放置(放令)された食品、あるいは加熱後2時間以上室温に放置された食品です。
加熱食品が室温で自然放令され、50℃になると増殖が始まり、45℃では最も増殖速度が速く、猛烈に発育します。
ウェルシュ菌が10万個/g以上に大量に増殖した食品が原因食品となります。
つまり、食中毒になる条件は
ウェルシュ菌が10万個以上存在するカレーを食べた場合です。
いかにこの菌を増殖させないかが、
カレーを作り置きしたり、保存する上で大切ですね
カレーを作り置きしたい人が知るべき4つの保存方法
確かに食中毒は怖いけど、
カレーを大量に作って、作り置きしたいですよね?
でも安心してください。
一般財団法人 東京顕微鏡院のページに予防方法も載っています。
1.原材料の野菜などは洗浄によりウェルシュ菌芽胞を除去すること。
2.加熱調理食品中での増殖防止は加熱調理後3時間以内に20℃以下に急冷する(発育温度帯50℃~20℃)。あるいは加熱食品を小分けにし、大気(酸素)に暴露させることにより嫌気度を下げ、好気的にすること。
加熱調理後2時間以上室温に放置しないこと。前日調理を禁止すること。
これらのことを総合すると
私たちができることは、
②カレーを室温で2時間放置しない
③調理したら、すぐに急冷する
④カレーを保存するときは小分けにし、冷蔵庫か冷凍庫へ
カレーを大量に作って保存しておくのは便利です。
しかし、カレーが腐ってしまっては意味がありません。
食材を無駄にするばかりかあなたの健康を損ねてしまいます。
それでもなぜ人は一晩寝かせるのか?2日目のカレーの魔力
2日目のカレーという称号は日本人に刺さります。
一晩寝かせたカレーが美味しいと感じる理由は
やはりこの3つでしょう
②香辛料が混ざり合ってマイルドになる
③カレーの味が具材に染み込む
つまり、具材の旨味や香辛料をうまく使えば、
2日目のカレーを再現することが可能です。
実は、私も2日目のカレーの味を目指してカレー作りに夢中です。
カレーのコクや旨味を引き出すために、いくつか隠し味を試しています。
美味しくなるカレーの隠し味をまとめた記事はこちらです。
腐ったカレーを食べるリスクをゼロにして、
なおかつ美味しいカレーが食べたい。
しかも楽して。という方には、
カレー研究家一条もんこさんの「あしたのカレー」がオススメです。
まとめ:腐って傷んだカレーと一晩寝かせたカレーは違う
カレーは自由な料理です。
使う食材の種類や隠し味はもちろん、
肉が好きなら肉の量を増やしてもいい。
何人分作るかも自由。
大量に作り置きするのも良いです。
しかし、どうかカレーを作った後の保存方法には気をつけて。
以上、「腐ったカレーの見分け方」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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