バニラビーンズの特徴!代用のバニラエッセンス、オイルとの違いも解説

バニラビーンズはお菓子やチャイに使われる「香りを加える」スパイスです。
芳醇で甘い香りは人気が高く、食べ物以外にも化粧品やシャンプー、香水にも使われています。
この記事ではバニラビーンズの特徴と
代用品であるバニラエッセンスやバニラオイルとの違いを解説します。
この記事では、以下のことを解説します。
①バニラビーンズの特徴
②代用品であるエッセンスとの違い
③代用品であるオイルとの違い
④バニラビーンズの入手方法
バニラビーンズの甘い香りの特徴は?産地、栽培方法や品種で変わる?
バニラビーンズの効果・効能を説明する前に、
基本的な情報をまとめます。
興味のない方もいると思うので、ここはざっくりと読み飛ばしていただいてかまいません。
■バニラビーンズの概要
原産地:中央アメリカ
生産地:メキシコ、マダガスカル、インドネシア、インド、スリランカ
はたらき:香りをつける
注意点:冷蔵庫や冷凍庫から出した
バニラビーンズの表面の粉はバニリン
バニラビーンズは原産地は中央アメリカですが、
主要な生産国はメキシコやマダガスカル、インドネシア等、多くの国で生産されていますが、
実は香りや栽培方法で違いがあります。
産地によるバニラビーンズの香りの違い
バニラビーンズの最大の特徴は「香り」で
甘くて芳醇な香りは多くのお菓子や化粧品に使われています。
産地によって、バニラビーンズの香りが異なるのも面白いですね。
■産地によるバニラビーンズの香りの違い
・マダガスカル産とメキシコ産は「まろやかでクリーミーな香り」
・インドネシア産は「スモーキーな香りと味わいがある」とされている。
※香りの特徴の違いについては、下記の記事を参考にしています。
(while Indonesian vanilla comes from the same plant, it is said to have a smokier aroma and taste than creamier, sweeter Madagascan and Mexican vanilla)
出典:Very Vanilla: A Guide to Vanilla Types — From Madagascar to Mexican
産地によるバニラビーンズの栽培方法の違い
さらに、バニラビーンズの栽培方法も産地によって異なります。
例えば、メキシコとマダガスカルでは以下の違いがあります。
■産地によるバニラビーンズの栽培方法の違い
・メキシコ産は「ハチによっての受粉」
・マダガスカル産は「人の手作業で受粉」
※マダガスカル産の方が高値で取引されている
※栽培方法の違いについては、下記の記事を参考にしています。
The only significant difference is that in Mexico, the plant is pollinated by a bee and in Madagascar, humans need to pollinate the flower, leading to its higher price.
出典:Very Vanilla: A Guide to Vanilla Types — From Madagascar to Mexican
手作業による受粉が必要なので、どうしても手間がかかりますね。
バニラビーンズが高い理由がわかります。
品種によるバニラビーンズの香りの違い
市場に出回っている一般的なバニラビーンズは大きく分けて2種類あります。
ブルボン種(一般的な産地)とタヒテンシス種(タヒチ産)です。
それぞれ特徴を紹介します。
①ブルボン種のバニラビーンズ
世界のバニラビーンズ生産量80%を占める一般的なバニラで
マイルドで甘く豊かな香りでキャラメルのような風味。
万人受けし、素材の風味を邪魔せずバニラの香りをつけたり、
全体的にふんわりとおだやかな風味をつけたいときにおすすめです。
②タヒテンシス種のバニラビーンズ
生産量が少なく、希少価値の高いタヒテンシス種は、
タヒチに持ち込まれたブルボンバニラとバニラアロマティカの交配したバニラです。
平たく太く、柔らかいさやでアニスに似た濃厚でスパイシーな香りが特徴です。
冷たいものや個性の強い素材との組み合わせにも使えるので、
パティシエや製菓業界にも高値で取引されています。
バニラビーンズと代用品のバニラエッセンス、バニラオイルの違いは?
ここまでで天然のバニラビーンズの香りの特徴を説明しましたが、
そもそもバニラビーンズを生で見たことがない方もいると思います。
なぜならほとんどの方がバニリンを抽出した
代用品であるバニラエッセンスやバニラオイルを使っているからです。
バニラエッセンスとバニラオイルとはどんな食品なのか説明します。
代用品であるバニラエッセンスとは?使い方を紹介
バニラエッセンスはバニラビーンズからバニリンを抽出し、アルコールに溶かした液体です。
かなり濃度が高くなるので、数滴たらすだけで十分な香りがつきます。
バニラエッセンスを加えた後で加熱されることのない、
ジュースやアイスクリーム等、冷たいものに加えることをおすすめします。
代用品であるバニラオイルとは?使い方を紹介
バニラオイルはバニリンをアルコールよりも沸点の高いオイルに溶かした液体です。
熱で飛びにくいので、コーヒーや焼き菓子、
フレンチトーストに加えることをおすすめします。
バニラはサフランの次に高いスパイス!代用品を買うと本当にお得?
バニラビーンズは手作業での受粉が必要だったりと
栽培に手間がかかる農作物のため、とても高価なスパイスです。
グラム単価でみれば、世界一高いスパイスと言われているサフランの次に
高値で取引されています。
そんなバニラビーンズですが、どこで何を買うのがお得なのでしょう?
どうしても代用品であるバニラエッセンスやバニラオイルがお得に感じてしまいますが、
実はそのままの姿のバニラビーンズが一番お得です。
理由は以下の通りです。
①使える用途が多い
②賞味期限が「年単位」と長い
③洗って乾かすことで再利用できる
お得な理由①:バニラビーンズは使える用途が多い
バニラビーンズは、バニラエッセンスのように加熱で飛んでしまうことはありません。
まるごとのバニラビーンズを適当な長さに切って、牛乳や生クリームに浸すだけで、
甘いバニラの香りが移ります。
バニラビーンズのまま砂糖に入れておくだけでも、
砂糖にバニラの香りが移り、「バニラシュガー」として楽しむことができます。
バニラの香り付きの牛乳や砂糖でチャイやコーヒーに使ったりするのもいいですね。
切ったバニラビーンズを生地に練りこみ、焼き菓子にしてもよいかもしれません。
下記の記事で、バニラビーンズの使い方や効果・効能をまとめています。
お得な理由②:バニラビーンズは賞味期限が年単位と長い
バニラビーンズは、抗菌作用があるので、年単位の賞味期限があります。
海外ではバニラビーンズに含まれるバニリンの持つ抗菌作用が評価され、天然由来の防腐剤として化粧品等に利用されています。
それでも一般的にスパイスは湿気や熱、光に弱いので、しっかりと密封しましょう。
適切な保存方法をすれば、3年以上使うことが可能です。
スパイスの保存方法についてはこちらの記事をどうぞ。
お得な理由③:バニラビーンズは洗って乾かすことで再利用できる
バニラビーンズのさやは、ミルクやソースに浸して、
香りをつけた後も洗って乾かすことで何度でも再利用できます。
少し高価であったとしても、何回も使えるというのは
代用品のバニラエッセンスやバニラオイルにはないメリットです。
ちなみに代用品に使われている可能性の高い人工的に合成されたバニラの香りと
天然のバニラビーンズの香りは全く違います。
天然のバニラビーンズの香りは、人工のものと比べ、
癖がなく、芳醇で滑らかな香りがします。
後味も良いので、天然のバニラビーンズを使うと、合成バニラはあまり使いたくなくなるでしょう。
実際に安価な合成バニリンが大量に使用されている状態でも、
天然のバニラビーンズの需要は安定しているため、
バニラビーンズの生産国であるメキシコやマダガスカル、インドネシアにとって、
貴重な財源となっています。
まとめ:代用品のエッセンスやオイルよりもバニラビーンズがお得!
ここまでの内容をまとめます。
バニラビーンズの特徴は以下の通り。
■バニラビーンズの概要
原産地:中央アメリカ
生産地:メキシコ、マダガスカル、インドネシア、インド、スリランカ
はたらき:香りをつける
注意点:冷蔵庫や冷凍庫から出した
バニラビーンズの表面の粉はバニリン
産地によってバニラビーンズの香りは違います。
■産地によるバニラビーンズの香りの違い
・マダガスカル産とメキシコ産は「まろやかでクリーミーな香り」
・インドネシア産は「スモーキーな香りと味わいがある」とされている。
出典:Very Vanilla: A Guide to Vanilla Types — From Madagascar to Mexican
バニラビーンズの代用品は、バニラエッセンスとバニラオイルがある。
しかし、実はそのままの姿のバニラビーンズが一番お得です。理由は以下の通り。
①使える用途が多い
②賞味期限が「年単位」と長い
③洗って乾かすことで再利用できる
おまけ:バニラビーンズの香りの主成分、「バニリン」は合成できる!
ここからは補足情報です。
なぜ高価なバニラの香り付きのアイスが最寄りのコンビニやスーパーで買えるか
不思議ではないでしょうか?
実は、1874年にバニラビーンズの香りの主成分であるバニリンは、人工的に合成できるようになり、
食品にバニラの香りを安価につけることが可能になっています。
今では全体の90%が人工で作られた「合成バニリン」が占めているんです。
それでも実際に合成バニラの香りを天然のバニラビーンズと比べてみると
癖があり、後味も天然のバニラビーンズには劣っていることに気づきます。
一度天然のバニラビーンズに慣れてしまった方は、なかなか合成バニラを使う気になりません。
あなたも再利用可能な「本物のバニラの香り」を体験してみませんか?
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